TAYT海外通信
タイト海外通信「MILANO SALONE 2025」アルピ編
4月8日~13日に開催された今年で63回目のミラノサローネ2025(正式名称: Salone del Mobile Milano)において弊社の主要取引先であるアルピ社(ALPI S.p.A)が新柄を発表しました。
今年の新柄は以下の12柄となります。
先ずは昨年同様、Piero LissoniによるNorth Lightシリーズに新たに板目柄が加わりました。
10.54 ALPI Xilo Ice Flamed
そして、同じくPiero Lissoniにより新しい2つのバリエーションも加わりました。
ALPI StringとALPI Warpは、Piero Lissoniの創造的な直感から生まれました。
それは、学校の用紙に印刷された馴染みのある線や四角形にインスピレーションを得たものです。
このコレクションは、そのグラフィックな模様を視覚的にインパクトのある木製の突板に昇華されたのです。
ALPI Stringのパターンは洗練された直線的なデザインで、ALPI Warpは、木の素材を力強く調和のとれた質感へと再定義する、生き生きとしたリズミカルなグリッドのテクスチャーが特徴です。
独特のグラフィックな輝きを放つこれらの新しい表面は、インテリアに深みと個性を与え、周囲の空間を他に類を見ない感覚的で美的な体験へと変貌させます。
18.48 ALPI Warp Frosty Burgundy
18.49 ALPI Warp Frosty Grey
18.58 ALPI String Khaki
18.59 ALPI Strng Blue
<Piero Lissoniインタビュー動画>
https://www.alpi.it/en/on-air/video/alpi+warp+and+string/34
そして、今回新たにnendoによりデザインされた4つのモデルも発表されました。
ALPI KasumiとALPI Futaeは、nendoによるアルピリニュームの製造工程の研究から生まれた、革新的な技術と職人文化の融合です。
ALPI Kasumiは、GreyとBlueの2つのバリエーションで展開され、柔らかな木目と繊細な色合いが特徴です。
これは、2色の突板を重ね、独創的な手法で模様を浮かび上がらせることで実現しました。
ALPI Futaeは、異なる大きさの木目を組み合わせることで、自然とテクノロジーの境界を越えています。このデザインは、木の樹皮のざらざらとした質感と岩の不規則な表面を同時に想起させ、比類ない視覚効果を生み出しています。
ALPI Futaeは、WhiteとGreyの2色展開です。
どちらの突板も周囲の環境に美しく溶け込み、よく見ると目を奪われるようなディテールが浮かび上がります。
18.95 ALPI Kasumi Grey
18.96 ALPI Kasumi Blue
18.97 ALPI Futae White
18.98 ALPI Futae Grey
<nendo インタビュー動画>
https://www.alpi.it/en/on-air/video/alpi+kasumi+and+futa/35
次に久々にEstudio Campanaによる新柄も加わりました。
ALPI Agresteは、ブラジル北東部の乾燥した低木砂漠であるCaatingaの乾燥した風景を観察したことに根ざしています。
建築とデザインの仕事で再生素材を深く探求してきたHumberto Campanaによってさらに発展したALPI Agresteのパターンは、太陽に照らされた大地の原始的なひび割れた表面を想起させます。
恐竜の皮膚を連想させる視覚的および感覚的アイデンティティを持つ2つのバリエーション、ALPI Agreste OuroとALPI Agreste Prataは、高度なアップサイクルプロセスを通じて製造スクラップを再解釈することで、自然とデザイン、内と外の対話を探求しています。
リユースの哲学は、端材を独自の新鮮な美学、機能、アイデンティティを持つ新しい素材に変えます。
最終的な結果として、不完全さの魅力、経験の美しさ、そして持続可能な変革の価値を伝える、刺激的で質感のあるデザインです。
18.29 ALPI Agreste Ouro
18.30 ALPI Agreste Prata
<Estudio Campana インタビュー動画>
https://www.alpi.it/en/on-air/video/alpi+agreste+%7C+desig/36
最後にSottsassによるおなじみの柄に新色が加わりました。
ALPI Sottsass Pinkは、ALPI社の歴史的にも意義深いコレボレーションの1つです。
ALPI社内のアーカイブに保存されているSottsassの手書きのメモに基づいて、ALPI研究開発部門は彼のデザインに新しいバリエーションを加えました。
18.78 ALPI Sottsass Pink
発売時期と価格は後日ホームページ上でお知らせ致します。
泰斗株式会社
2025/04/17
タイト海外通信「Milano Salone 2024」
4月16日~21日に開催された今年で62回目のミラノサローネ2024(正式名称:Salone del Mobile. Milano)を視察した。
6日間で36万1417人が来場し、出展者も35ヶ国から1950社にものぼる文字通り世界最大級のデザイン家具の祭典である。
今回は16日~19日の4日間訪問したが、会場内は非常に混雑し、中央の通路はまるで日本の通勤ラッシュの様な様相でした。
会場のメインゲート付近
入場ゲートには長蛇の列
会場内には16ものホールがあり、ゆっくり見て回るには4日間あっても足りない程である。
ですので、今回も弊社主要取引先であるイタリア・アルピ社(ALPI S.p.A)の突板が使用されている製品・ブースを中心に見て回った。
Arper社 : 18.04 ALPI Xilo Striped Black
テーブル天板に使用
Sancal社 : 18.73 ALPI Sottsass Grey
ローテーブルに使用
Quadrifoglio社 : 10.69 ALPI Breeze Oak(*弊社標準在庫品)
キャビネット扉の表面材として使用
Quadrifoglio社 : 10.69 ALPI Breeze Oak(*弊社標準在庫品)
天板の両端部分に使用
Soher社 : 12.19 ALPI Wavy American Walnut(*弊社標準在庫品)
キャビネットの内側に使用
Stilles社 : 18.93 ALPI Raggiosole
使い方の良い参考になった
Mariner SA社 : 12.42 ALPI Makassar I(*弊社標準在庫品)
キャビネットの表面材として使用
ハイグロスで高級感がある
Living Divani社 : 18.52 ALPI Xilo 2-Flamed Grey
棚の天板や仕切り材に使用
Laurameroni社 : 10.45 ALPI Honduras(*弊社標準在庫品)
壁全面及び前のキャビネットにも使用
Laurameroni社 : 10.45 ALPI Honduras(*弊社標準在庫品)
こちらは浮造りしたものをランダムに貼り付けており模様の様に見える
Laurameroni社 : 12.96 ALPI Planked Oak(*弊社標準在庫品)
壁面全般に使用
Laurameroni社 : 18.55 ALPI Ikat 2
テーブル天板に使用
どこか和の趣が!?
Porro社 : 12.42 ALPI Makassar I(*弊社標準在庫品)
壁面全般に使用
Porada社 : 10.12 ALPI Xilo Walnut Striped(*弊社標準在庫品)
こちらも壁面に使用
Meson's Cucine社 : 10.95 ALPI Planked Walnut(*弊社標準在庫品)
10.95をリブ加工して表面材として使用
扉の裏面はそのまま
棚の背面にも使用
Dienne Salotti社 : 10.06 ALPI California Burl(*弊社標準在庫品)
サイドテーブルに使用
Dienne Salotti社 : 18.73 ALPI Sottsass Grey
Dienne Salotti社 : 18.47 ALPI Maritime Pine
出展社不明ですが、ソファのセンターテーブルに10.41を使用
また、展示会場以外の「Fuori Salone」でも多くのALPI突板が使われていた。
B&B Italia社 : 12.23 ALPI Indian Rosewood
B&B Italia社 : 12.23 ALPI Indian Rosewood
キャビネットの表面材で使用
Falper社 : 18.06 ALPI Xilo Striped XL Sand
Falper社 : 18.06 ALPI Xilo Striped XL Sand
棚の内側全般に使用
Elle Decor Italiaの"Material Home"において壁面に10.07が使用されていた
また、Samsung "Newfound Equilibrium"でPatricia Urquiolaデザインの18.60と18.61が使用されていた。
Samsung社 : 18.60 ALPI Grada Rose
Samsung社 : 18.61 ALPI Grada Grigio
展示会場並びにFuori Saloneにおいて数多くのALPI突板を使用した製品を見ることが出来た。
もちろん、ALPI社自体のブースでも多様なデザインの突板が展示されていた。
斜めに貼り付けると見え方も変わる
壁面にRをつけて展示
また、ALPI製品以外でもデザイン、カラー、素材の組合せや展示方法など非常に参考になるものが多かった。
ほんとうの林の中にいるような雰囲気を感じられる展示
大木を受付け台に利用したブース
どのように曲げたのか気になる
イノバスカラーMDF(テラ)を使用したおしゃれな装飾
アルピ社のデザイン性ある突板を使用したら面白いのでは!?
弊社メタル化粧板(A210/BRK Saza Nami)を使用したら出来るのでは!?
今回よく見かけたのは複合的な素材の組み合わせ
メタル化粧板と突板を組み合わせても面白い
木とガラス
ソリッドカラー・石目・木目のコラボレーション
また、以前よりトレンドとしては表面に凹凸のあるものが多かったが、今回はそれがより鮮明になった。(特にキャビネットと洗面台においてはリブ加工などが大幅に増えていた)
天板の表面ではなく木口面や脚に凹凸を付けたデザイン
さすがにこちらは本杢ではないが、浴槽も木目調に!!
木目のカラーに関しては、ウォールナットなどの濃い目のブラウン系とオークなどのナチュラル系が多かったように感じた。
以前のようなグレー系は少し減ってきたかと思う。
昨年のInterzumで見た素材のトレンドとリンクするものが多く、その完成品が見れて非常に有意義な展示会であった。
来年は4月8日~13日に開催される。
報告者 : R.F
2024/04/25
タイト海外通信「Milano Salone 2024」アルピ編
4月16日~21日に開催された今年で62回目のミラノサローネ2024(正式名称:Salone del Mobile Milano)において弊社の主要取引先であるアルピ社(ALPI S.p.A)が新柄を発表しました。
アルピ社ブース
今年の新柄は以下の7柄となります。(サイズはすべて8尺まで)
先ずはPiero LissoniによるNorth Lightシリーズと銘打ったオーソドックスながら洗練された色使いの4柄
North Lightは、光・ツンドラ平原・オーロラといったスカンジナビアの風景にインスピレーションを得たシリーズです。
(Curated by Piero Lissoni)
(Curated by Piero Lissoni)
10.53 & 10.55 使用イメージ
(Curated by Piero Lissoni)
(Curated by Piero Lissoni)
そしてGamFratesiによる斬新な色使いの2柄
建築や家具のデザイン経験に基づいて、GamFratesiはアルピリニュームという2次元素材を扱うという課題に取り組みました。
その結果、深みと質感を与え満足のいく視覚体験を生み出す技術を使用して作られたALPI Woocleが誕生しました。
(Designed by GamFratesi)
(Designed by GamFratesi)
18.35 & 18.36 使用イメージ
最後にKonstantin GrcicによるALPI Tramontoという、レッド・バーガンディ・ブラウン・ブラックの美しいブレンドにより表現力を高めた1柄
(Desined by Konstantin Grcic)
18.94 使用イメージ
発売時期と価格は後日ホームページ上でお知らせ致します。
泰斗株式会社
2024/04/24
タイト海外通信 「INTERZUM 2019」
1959年から2年に一度ドイツのケルンで開催されている世界最大級の国際家具インテリア産業見本市である「インターツム」は今年で60周年を迎えた。
2019年は5月21日~24日の4日間ケルンメッセで開催され、世界60ヶ国から1805社が出展し、世界152ヶ国からおおよそ74000人が来場した。
今回も当社の取引先が多く出展しているので、ミーティングと視察を兼ねての訪問となった。
● ALPI社(イタリア)
弊社の主要取引先であるイタリアの工芸(人工)突板メーカー。
毎年、ミラノサローネかインターツムに合わせて新作の発表があるが、今回は新デザイナーであるマルティノー・ガンペール氏が手掛けた「Gamperana Triplex design」の3パターンをメインに、チェリー柄・ウォールナット柄など計10柄が発表された。
ALPI社ブース
今回の目玉、Gampera Triplex design
(by Martino Gamper)
クリアー塗装済のBlush Cherry
無塗装の大板で見るとこんな感じ
クリアー塗装済のHoney Cherry2柄
クリアー塗装済のSienna Cherry2柄
柾目・板目・板柾のWalnut3柄
昨年発表されたアトリエ・メンディーニデザインのポインティリズム
展示方法は2年前とほぼ同様
木目柄が増えたのは嬉しいが、いつもよりもかなりおとなし目の新作発表であった。
● JGrabner社(オーストリア)
弊社プレイゲボード及びストラクターボードの仕入れ先である。
深いエンボスの古木パネル中心の展示であった。
今回、新たに「CHARISMA VENEER」という主に古木突板をフリースで裏打ちした製品を出していた。
CHARISMA VENEER
特に画像の様なブロック柄が面白い
● RoHol社(オーストリア)
弊社ラフベニヤ、クラックべニアなどの仕入れ先である。
JGrabner社同様であるが、突板にフリースを裏打ちした製品である「Fleece-It」を打ち出していた。
樹種はJGrabnerより豊富である。
サイズは1250x2800mm
1枚からでも輸入は可能です。
エンドグレイン突板を使用したテーブル
● Sonae Arauco社(ポルトガル)
弊社イノバスカラーMDFの仕入れ先である。
カラーMDFに関しては廃番も無ければ新色も無く、何も変化がない。
逆に言えば安定している製品である。
Innovusブランドのメラミン化粧板に関しては5つの仕上げと80の柄が増えていた。
木目もそうだが、石目柄が非常に多くなっていた。
ブースを訪れた限りでは、集客も多くまだまだ勢いのある会社と思われる。
SONAE ARAUCO社ブース
イノバスカラーMDF7色
3Dファイバーボード
● Homapal社(ドイツ)
弊社メタル化粧板の仕入れ先のひとつである。
親会社はFormica。
メタル化粧板の新作は柄もののみであった。
他にHomapal AQUARIS Spasystemという防水材を出していた。
ホマパル社ブース
メタル化粧板の新柄
Formica製品も展示していた
● ABET社(イタリア)
弊社取引先のひとつ。
HPL同様にコンパクトを強化している。
今回はカラフルな製品が多く感じた
アベット社ブース
● その他
弊社でも在庫販売を始めたメタル化粧板の使用例として
アルピの突板を使用した製品
ソットサスデザインの突板を中の仕切り板で使用
M&W社の突板
Interzum Awardも受賞している。
WOOD COUSTICSの有孔ボード。
非常に孔が小さく近づかないと気が付かない程度
Interzum Awardを受賞
孔が小さいので木目の方が目立つ
錆のエフェクトを加えた化粧板
エンボスのトレンドはまだまだ続きそう
今回一番の発見であったのが、天然木やALPI突板等を使用したディープエンボスのパネル。
ドイツで独自の方法でプレスをしているようで、エンボスも今まで見た中で一番深い。
驚いたのが木口部分もエンボスがあり、つなぎ目も綺麗に処理されていた
炭のイメージ
ALPI社10.43突板使用
こちらもアルピ突板
ALPI 10.43使用
アマーラエボニー柄の突板
ALPI10.42使用
木口の凸凹もきちんと処理されている
こちらもALPI突板を使用した天板
木口はプレスした後に手で処理しているようで、天板のみ展開可能だそうです。
インターツムの来場者層はバイヤー、建築家、オフィス設備業者、インテリアデザイナーなどが多く、
会場内は国境を越えた熱心な商談風景が随所でみられ、取引先の新規開拓には絶好の機会である。
各社共この展示会に合わせて色々と新製品を発表しているので、目新しいものを見つけるにも良い機会である。
展示会全体の印象としては、木目ではやはり引き続き節・割れの入った古木調のものが多かった。
また、ソリッド調ではなく、柄の入ったデザインが目立った。
但し、全体的に見ると木目柄よりも石目柄の比率が増えているように見受けられた。
また、中国企業の出展が多く、中国人の来場者の数も非常に増えている。
日本企業の出展が数社しかないのは非常にさみしい限りであった。
次回は2021年5月4日~7日まで開催される。
報告者:RF
2019/06/03
タイト海外通信「Milano Salone 2018」 ー②ALPI編ー
ミラノサローネ2018の開催に合わせて世界中のディストリビューターを一同に集めてALPI社のGLOBAL MEETINGが行われた。
そのミーティングにおいて、2018の新柄が数点発表された。
下2段が今回発表された新柄
新しいデザイナーとしてGamFratesiというデンマーク人とイタリア人のデザインユニットが参加。
彼らによってデザインされた新柄が3点発表された。
T-1843 ALPI Cloudy
その名の通り雲をイメージした柄となっている
左)T-1844 ALPI Rain 1
右)T-1845 ALPI Rain 2
文字通り雨をイメージした柄
また、Piero Lissoni氏も何点かの新柄を手がけていた。
T-1013 ALPI Xilo 2.0 Walnut 2-Flamed
また、Piero Lissoni氏によるALPI Veloというシリーズも4点程加わる予定との事。
柄は多少の変更があるそうです。
画像は参考まで
T-1881 ALPI Velo Brown
その他、「ALPI-On」というPANEL(化粧板)での新製品の発売も発表された。
全12柄
MDF基材で厚みが19mmの両面突板貼り
サイズは1240x3040mm, 1240x2500mmの2通り
「ALPI-On」発売に合わせて、同色の木口用テープもラインアップに加わった。
クリアー塗装済で厚みは0.55mm
「ALPI-On」に関しては、今後厚みのレンジを増やしていく予定だそうです。
2016/2017年に比べると少しおとなしめの新作発表となった。
報告者:RF
2018/05/08
タイト海外通信「Milano Salone 2018」
4月17日~22日に開催されたミラノサローネ2018(正式名称:Salone del Mobile Milano)を視察した。
6日間で188カ国から43万人が来場し、出展社も33カ国から1841社にものぼる文字通り世界最大級の家具見本市である。
今回は18日~21日の4日間訪問したが、会場内は非常に混雑し、中央の通路はまるで日本の通勤ラッシュのような様相でした。
会場内には20ものホールがあり、ゆっくり見て回るには4日間あっても足りない程であった。
メインエントランス付近
開場前でこの混雑である
今回は弊社主要取引先である、イタリア・アルピ社(ALPI S.P.A)の材料であるアルピリニューム(天然木工芸突板)が使用されている製品を中心に見て回った。
T-1023 インディアンローズウッド柾を使用
表面塗装はハイグロスで高級感がある
(この柄の突板は日本にも在庫があります)
BF社のT-1823 プランケットグレー?使用のテーブル
同じくBF社で使用しているT-1822 プランケットサンド柄
CA社で大々的に使用しているT-1818 ターシエ1グレー
表面はハイグロス塗装
同じくCA社でT-1401 デイアンドナイトツイルを使用したキャビネット
全面ではなく、他の突板と合わせて利用すると柄のうるささが消える
こちらもCA社で使用のT1403 フレーム
表面ハイグロスで、突板ではなく実際の製品として見るとまた趣が変わります。
こちらもCA社のエボニー柄(象嵌)のテーブル
DT社で使用のT-1402 スモーキーヴェルべット
MR社で使用のT-1801 ストライプドホワイト柾
(日本国内に突板在庫あります)
こちらもMR社でT-1871 ソットサスデザイン柄
OF社のT-1095 プランケットウォールナット板柾を使用したテーブル
RO社はT-1831 ピラルクをヘッドボード部に使用
分かりづらいのでアップするとこのような感じ
RE社で使用のT-1003 エラブルフリゼ
T-1307 エボニーアイボリー柾使用のローテーブル
T-1401 デイアンドナイトツイル使用のキャビネット
T-1402 スモーキーヴェルベット使用
T-1818 ターシエ1グレーを部分的に使用したキャビネット
TD社で使用のT-1019 プランケットウォールナット板柾
日本国内に突板在庫のある柄です
ベッド収納時
より木目が目立つが、工芸突板なので色柄も安定します
ZA社で使用のT-1042 アマーラエボニー柾
この柄を使用している製品はいまだに多い
その他、古木(もしくは古木風素材)を使用した製品も多く見受けられた。
弊社でも扱いのあるクラックベニヤを使用
木口部のみ凹凸をつけても面白い
こちらもクラックの入ったベニヤ
エンドグレインを利用したローテーブル
カットした丸太(樹皮付き)をデザインとして利用
エンドグレインをデザイン的に貼り合わせたキャビネット
弊社で取り扱いのある「プレイゲボード」を使用すればこの様な深いエンボスの見せ方も可能
2年前に比べて古木を使用した製品が増えているので、トレンドはまだまだ続くと思われる。
また、形や材料は様々だが、デザインとして凹凸を取り入れたある製品が増えているように感じた
弊社で扱いのある成型合板「Grada」を使用すれば製作可能であろう製品も多く展示されていた
その他、個別に気になった製品もあった。
イノバスカラーMDFのベリーを使用したディスプレイ用什器
タイトウッドテープを使用すれば製作出来そう???
テーブルトップはメラミンなどの材料だが、木口や芯にのみ木質材を使用しているケースも多く見受けられた。
今回はアルピリニューム(天然木工芸突板)を使用した製品が予想以上に多く、非常に参考になる展示会であった。
お祭りムードも多いが、トレンドを知る上では欠かせない展示会である。
2019年のミラノサローネは4月9日~14日に開催される。
報告者:R.F
2018/05/07
タイト海外通信「INTERZUM 2017」
5月16日~19日の4日間、ドイツ・ケルンで開催されたインターツム(以下Interzum)を視察した。
世界60カ国から1732社もの企業が参加している、文字通り世界最大規模の家具・内装材系展示会である。
期間中、総勢7万人近くが来場する。
2年振りのInterzumであるが、会場の広さは相変わらずである。
4日間フルに動き回ったが、それでも充分に見学が出来たかと言うと疑問は残るが、弊社の取引先が数多く出展しているので、その取引先を中心に新しい商品・トレンド等を掴む事が出来た。
●ALPI社(イタリア)
弊社の主要な取引先である。
今回は黒を基調としたベーシックなブース
黒のMDFで製作されたディスプレイ
落ち着いた雰囲気
150枚もの突板をパネルで展示
今回、新柄として以下の突板パネルが展示されていた。
新たなデザイナーとして隈研吾氏を起用
日本の神代杉やカイガンショウの樹皮をイメージしたデザインで斬新な突板を展示
また、The Campana Brothersが「SUSHI」というコンセプトで突板をデザインした新柄を発表
Piero Lissoni氏デザインの「Ikat」3モデル
Ikatとはマレー語で絣(かすり)織物のこと
新柄のブラッシュチェリー
新柄のウォールナット
こちらの3柄も今までになかったモデル
ソットサスのモデルも復活
従来のオーソドックスな木目柄は残しつつ、全体的にデザイン性を重視した斬新な突板が発表された。
●ROHOL社(オーストリア)
弊社製品ラフベニヤ、クラックベニヤの供給元である。
前回の様なギャラクシールームがある大掛かりなブースではなくなっていたが、面白そうな製品が数点あった。
自然の風化によって出来上がった表面の溝をブラッシングし汚れを取り除いただけでこのような風合いに
サイズは画像のもののみで大判での取り扱いはなし
曲げることの出来るプライウッド(FlexiPress basic and finish)
厚みは3-4.5mm
サイズは2500x1250mm, 2500x1830mm
●SONAE ARAUCO社(ポルトガル)
イノバスカラーMDFの輸入元
2年前は出展していなかったが、今回はInnovusブランドで大々的にブースを構えていた。
最近、ポルトガルのSONAE社とチリのARAUCO社が合併して会社名も「SONAE ARAUCO」となった。
ブース全面をカラーMDFのサンドグレー(新色)で製作
カラーMDFやメラミン化粧板を中心に展示
新製品の「3D MDF」
腰板などに使用したら面白そう
今後はカラーも増える予定
ホワイトボード兼マジックボードだが、単色ではなく木目のデザインが入っているので新しく感じる
●メラミン関係
・HOMAPAL社
特に目立って斬新な製品は無かったが、人工皮革を使った化粧板や不燃HPLを出展していた。
新しいカラーやエンボス
DEKODUR社、ABET社の出展は今回なかった。
●その他
弊社取引先ではないが、以下は今回目に付いた面白そうな製品である。
・L社(イタリアの突板メーカー)
・K社
籐(Rattan)の突板を使用して3Dにしたもの
突板自体にスリットは入っていない
・C社
エンドグレインの木口テープ
アルコンパクトの天板にエンドグレインのシート
・J社
今回一番興味を持ったのがここのディープエンボスボード
厚みは19.5mm、規格サイズは2980x1250mm
深さは3.5mmまで可能
・I社
2年前にもあったイミテーションの木目調不燃ボード
こちらも深いエンボスが特徴
・S社
各社同じような同調エンボスのメラミン化粧板は出しているが、この会社のものが一番深く綺麗
・B社
木で創られたモザイク柄
・R社
こちらも凸凹あり
突板化粧板もメラミン化粧板もエンボスをデザインとして取り入れた製品が増えていたのが印象的であった。
Gradaで出来そうなサングラススタンド
Gradaを利用して出来そうなドッグハウス
今年のInterzumの印象は突板化粧板もメラミン化粧板もエンボス(しかも深い)された製品が多く目に付いた。
色目的にはグレー系・ブラウン系が多く、ここ数年さほど変化はないように見受けられた。
また、クラックやスモーク等の突板を含めて古木系の化粧板を各社出展しており、トレンドは続くと思われる。
ちなみに帰りの空港で見かけたレストランでも古木を利用していた。
2年前の様な革新的な材料に出会うことは出来なかったが、各社この展示会に照準を合わせて新製品を出してくるので、相変わらず見逃せない2017 Interzumであった。
次回は2年後の2019年5月21日~24日に開催される。
報告者:R.F
2017/05/29
タイト海外通信「Milano Salone 2016」 ー②ALPI編ー
ミラノサローネ2016の開催に合わせて行われた、ALPI社のGLOBAL MEETINGにおいて、ALPILIGNUM(アルピリニューム)の新柄が発表された。
また、コレクション自体も大幅に見直しが行われた。
●ALPILIGNUM(アルピリニューム)
・ALPI Collection Wood(全71モデル)
うち11モデルが新しい品番となった。
"SILVER"と"WOOD+"という新しい商品群が追加となった。
16.02 Radiant Natural
16.12 Silver Rail Black
・ALPI Collection Designer(全18モデル)
3組のトップデザイナーを起用した新しいデザインを発表
・Piero Lissoni(14モデル)
・The Campana Brothers(2モデル)
・Front(2モデル)
また、Piero Lissoni氏はALPI社のART DIRECTORにも就任した。
<Piero Lissoni>
18.13 Tarsie 2 White
18.14 Tarsie 2 Black
18.15 Tarsie 3 Sand
18.16 Tarsie 3 Black
18.17 Tarsie 1 Sand
18.18 Tarsie 1 Grey
<The Campana Brothers>
18.31 ALPI Pirarucu
18.32 ALPI Piacava
<Front>
18.41 ALPI Drapery Wood
18.42 ALPI Grid Wood
*現物サンプルは弊社ショールームにてご覧いただけます。
これらの新品番に関しては、9月より販売開始予定です。
●MILANO SHOWROOM開設
2016年4月12日、ALPI社の新しい常設ショールームがミラノのソルフェリーノ通りにオープンしました。
住所 : Via Solferino, 7, Milano
ミラノにお出掛けの際は是非お立ち寄りください。
報告者 : R.F
2016/08/10
タイト海外通信「Milano Salone 2016」
4月12日~17日に開催されたミラノサローネ2016、今回初めて視察を行いました。
毎年30万人以上が来場する世界最大級の家具見本市であり、世界のデザイナー達が注目するデザインの祭典でもある。
初日である12日から3日間訪問したが、会場内は来場者が非常に多く、中央の通路は通勤ラッシュの様なありさまであった。
会場内には24ものホールがあり、ゆっくり見て廻るには3日間でも足りない程である。
今回はターゲットを絞り、当社で扱いのある(扱い出来そうな)材料を中心に見て回った。
会場入口付近
ゲートには入場の順番待ちの列が
壁面装飾
突板の使われ方も面白い
木目の組み合わせでデザイン性を表現
ライティングによって家具の引き立ち方も変わる
木目とメタルを組み合わせた見せ方も多くなっている
裁断時に切り込みを入れたのか?斬新なデザイン
座部がコルクになっていて柔らかく座り心地が良さそう!?
弊社取扱いのinnovus colour MDF
今回は什器として利用されていた
棚板にカラーMDF(グレー)を利用すればこんな感じに!
木目にシルクスクリーン?でデザインを入れるのも面白い
突板単板を重ねて作り上げた椅子
弊社のウッドテープでも同様のものが出来そうそうである
こちらも同じく突板単板から作りあげたもの
凸凹をつけた天板
どの様に作ったのか興味深い・・・
写真だと見えづらいが細かく寄木調になっている
コルクのようなキッチン台
突板を利用したシェード
新素材のコーナーに展示されていた材料
天然木とアクリル樹脂の組み合わせ
上の材料(木とアクリル樹脂)を組み合わせたらこのような感じに
WOOD + αでかなり見え方が変わる
まるで木のような陶器
上の陶器を使用した洗面台?
Interzumで見つけたOrganoid社の草・花・実などをプレスして固めた化粧板
新しい材料として紹介されていた
アルピ社のRadiantを利用すれば同じように半透明に出来る!
アルコンパクトを使用した洗面台
同様の製品は弊社でも取扱いが可能です
曲線を描いた洗面台
天然木工芸突板を使用?
同色の木材だが、形状を変えてデザイン性をUp
色々な材料の組み合わせが増えている
こちらも木目+
デザイン的には面白い
和のテイストを加えたデザイン
内側にのみ木目柄を使用
さりげない高級感が漂います
こんな感じでかなりオシャレに!
ウェーブソール的なエフェクトを加えて
アルピ社の材料で同じような柄があったような・・・?
これもアルピ社の柄に似ている
クラシック調な家具にはまだまだ黒檀(特にハイグロス)が多い
ビリヤード台にもハイグロス
また、成型合板を使用した椅子などは、弊社取扱いのUPM Grada成型用合板を使用すれば出来そうな形状が多かった。
成型合板でこのような棚を作ったら面白い
今回、圧倒的に目を引いたのはやはり古木・朽木調の家具が多かったことである。
この流れは当分続くものと思われる。
キッチンでも古木柄の利用は多かった
テレビラックも!
洗面台も!
バスタブまで・・・・
さすがにこちらはメラミン化粧板でしたが
ヴィンテージ感が出ていてオシャレな洗面台に!
故意にクラックを入れたデザインも多く見られた
木で作った自転車
乗れば乗るほど味が出そう
色目的にはグレー系よりも、ダークブラウン系が多く見られた。
トイレやバス、洗面台にはまだグレー系が多いが
高級家具にはエボニー(黒檀)やバール系のハイグロスがまだまだ人気である
前述したが、古木調やWOOD+αの素材を使用した家具がかなり目を引いた展示会であった。
材料を扱う者として、トレンドを知る上ではかなり有意義な展示会であった。
2017年のミラノサローネは4月4日~9日の開催となります。
報告者 : R.F
2016/04/21
タイト海外通信「SICAM 2015」
10月15・16日とイタリアのポルデノーネで開催されたSICAMを視察してきました。
当日はイタリアらしからぬ曇り空で、時折激しい雨も降り注ぐ悪天候でした。
しかし、会場内は3日目(木曜日)ということもあり、来場客でごった返し昨年よりも盛況であった。
メインエントランス前
●ALPI社(イタリア)
弊社の主要取引先である。
前回のInterzumに比べるとシンプルなブースになっていた。
受付のテープルの腰板にデザイン性に富んだ突板を使用
主にAlpikord(フェノールバッカー強化天然木工芸突板)やAlpirobur(メラミン化粧板)を展示
ゴールド色を塗装してブラッシングしたAlpikord
有名ブランドショップの内装材として採用されています。
ALPI社としては、突板単板での販売よりも加工した化粧板(Alpikord & Alpirobur)に力を入れているように感じられた。
また、Radient(アクリル板を挟んでスライスした半透明の単板)やSilver Rail(アルミを挟んでスライスした単板)など、従来の突板の枠を越えた斬新な製品が増えてきている。
但し、価格的に使用するにはハードルが高いと思われる。
●Tabu社(イタリア)
主に天然木の染色単板を得意とするメーカーである。
ブース内は盛況であった
大判で使用したら面白いデザイン
カラフルな染色単板が多い
●EDILLEGNOTRANCIATI社(イタリア)
ALPI社のイタリア国内の代理店のひとつ
古木・朽木系の天然木突板を得意とする
弊社もInterzumで見つけ興味を持ったORGANOID社の草・花・実などの化粧板を取り扱っていた
●その他
Metaflex社
型押し成型
LATHO社ウッドパネル
MDFなどにベニヤを貼り合わせた化粧板
CONFALONIERI社ブース
色目の傾向はここ数年変化が無く、グレー系・ライトブラウン系が多い
メラミン化粧板もヴィンテージ調の柄が増えている
TOP LINEA社
やはりここもグレー系が主流
Braga社のブースではAlpilignumのDesign Collectionを使用したドアを展示していた
これらの単板は弊社でも取り扱い可能です
弊社の取引先でもある、3B社ブース
ALFA WOOD社の製品
コンクリート調の材が増えてきている
アルミニウムやABSを3次元成型した材(特許出願中との事)
インドの石を薄くスライスしてシート状にした材
カラーの傾向としては、今までのグレー系は相変わらず多かったが、それ以外にライトブラウン系が再び増えてきたように思えた。
木目柄としては、ハーフクラウン(板柾)が圧倒的に多かった。
また、古木・朽木系は相変わらず人気があり、しばらくはこの流れは続きそうである。
但し、ウッド系よりもコンクリート調の材料の方が目に付く感じでもあった。
全体としては、Interzumと違いなかなか新しい製品を見つけるのが難しいが、トレンドを追うには分かり易い展示会である。
2015/11/04